【総括編】すぐ実践できる「戦略的販売促進のノウハウ」をご紹介!合わせて効果的なデザイン依頼のコツもご紹介!

;AdobeStock_288922704.jpg
 ネットから簡単にほしいものが購入できる時代。自社サイトやSNS、ECサイトを整備している企業は少なくありません。
 しかし、情報が氾濫している今時、無数の商品から消費者に選んでもらうことは至難の業。

 いかに、自分たちの商品を欲しがる顧客に届けることができるのか、それが「売れる商品」と「売れない商品」の差だと考えています。
 この記事は総括編として、市場に適している商品かどうかを把握するためのフレームワークから、戦略的な販促設計、効果測定まで、体系的に理解を深める内容としています。
 企画担当者、営業マン、新商品開発者、経営者はもちろん、小規模の事業者、これから自分のビジネスを立ち上げたい方々をターゲットに作成いたしました。

 筆者は、海外の美大出身のデザイナーから始まり、MBA(経営学修士)を取得しており、記載内容はそのMBAの知識やデザイナーとしての経験を基本としております。
 具体的に活かすためのコツなどについては、別途記事を発信していく予定ですので、ここでは、戦略的な販売促進のためのプロセスや概略を理解していきましょう。
 では、売れる商品を生み出す極意に迫ります。

INDEX
1.まずは商品を取り巻く環境(業界)を知ろう。
  1-1  5F(5つの力)
  1-2 VC(バリュー・チェーン)
2.Product Market Fitを考えよう。
  2-1 ターゲティングとKBFの特定
  2-2 User Insightを常に意識する
3.販促戦略を立てよう。
  3-1 ペルソナ 
  3-2 カスタマージャーニー
4.効果的な販促物の制作、効果測定を通し、見込み客を醸成しよう。
  4-1 効果的な販促物の制作について
    [Step1] ペルソナごとに、重点施策を設定する。
    [Step2] 設定したKPIとROIで効果を測定する。
    [Step3]PDCAを徹底する。
  4-2 3ヶ月ごとの4p分析で商品力アップ
5.まとめ


1.まずは商品を取り巻く環境(業界)を知ろう。

  ものが不足していた時代には、ものを作り、世に出せば売れていました。
  しかし、今は殆どのものがコモディティ化され、とても安く簡単に手に入るようになりました。競争は激しくなる一方で、消費者の目に留まる「商品開発」「販促設計」を行うことがとても重要になっています。そのためには、まずは、自社を取り巻く業界環境の力のバランスを総合的に把握することが重要です。

1-1  5F(5つの力)

 そこで有効的なフレームワークが、5F(5つの力)です。アメリカの経営学者M.ポーターが提唱したもので、「競合:Rivalry among exising competitors」「売り手:Bargaining Power of suppliers」「買い手:Bargaining Power of buyers」「新規参入:Threat of new entrants」「代替製品:Threat of substitute products or services」の5つの力を分析することで、業界の収益構造や競争のカギが発見できます。 
 画像の説明
 

1-2 VC(バリュー・チェーン)

 同じく、M.ポーターが提唱したものとして、1つの製品が顧客のもとに届くまでの業務活動を分類し、どの部分(機能)で付加価値が生み出されているか、競合と比較してどの部分に強み・弱みがあるかを分析し、事業戦略の有効性や改善の方向を探ることができるフレームワークです。
 業界のKSF(Key Sucess Factor:事業を成功させるための必要条件)の把握が容易で、自社のサービス、商品がその業界で勝てるかどうかを分析することができます。

画像の説明

2.Product Market Fitを考えよう。

 業界が分かったら、次に、市場を正しく把握し、それにフィットした「商品開発」やブラッシュアップが重要です。いくらよい商品でも、市場の需給バランスや消費者のニーズに合致していないと「売れない商品」「売れても利益率の低い商品」になりがちです。
 そこで、最も重要なのは、ターゲティングの徹底化です。

2-1 ターゲティングとKBFの特定

画像の説明
 販売したい商品について、「誰に売りたいのか?」「誰が・誰なら買ってくれるのか?」「この商品を買う必要条件(KBF)は何か?」を考えます。

 まず、「誰に売りたいのか?」は、商品開発者の想いの視点です。
 こんな人に役立つ商品・・・
 こんな人の問題を解決する商品・・・
 こんな人に喜んでもらう商品・・・
 これをしっかりと考えることで、継続的な販促アプローチの
 原動力となります。

 次に、「誰が、誰なら買ってくれるのか?」の視点で、
 売りたい相手と、買ってくれそうな人が合致するのかを把握します。ここで把握すべきなことは、売りたい相手と、買ってくれる人に、ギャップがあるかどうかです。いくら売りたい人を想定していても、その人が買ってくれる見込みが少ないと、販促にかかる費用が高まります。
 必ずしも、合致させる必要はないのですが、費用対効果を考えながら販促の施策を立てていくことが重要です。
  
 最後に、「この商品を買う必要条件(KBF)は何か?」の視点。
 売りたい人、買ってくれる人が、その商品を買う理由、必要条件を特定します。ここで注意すべきなことは、その商品が必要な人と、実際にお金を出す人が違うということです。それをDMU(最終的な意思決定権者)といいます。どちらも意識しつつ、お金を出す側の立場でのKBFを把握しましょう。  

ユーザーサービスや商品が必要な人
DMU(Decision Making Unit)最終的な意思決定権者
顧客ニーズ顧客が当該製品・サービスに求める要望、顕在ニーズ&潜在ニーズ
KBF(Key buying factor)最終的な購買決定に踏み切った最も重要な要因、顧客ニーズの中で最も重要なもの。複数可能。


2-2 User Insightを常に意識する

 上記で把握したターゲットの深堀りの段階です。方法は大きく2つ。
 一、類似商品、ターゲットに対するアンケートを収集すること。
 適したものがない場合、独自にアンケートをとり、分析します。
 二、ターゲットに類似する人物1〜3名にインタビューをとります。多く行うことがいいとも限りません。深い部分のニーズを把握するインサイトなので、深いヒアリングがポイントです。

インタビューシート

お名前、ご所属、性別、年齢等(どんな方)         
最近どうですか?                     
お困りごとは?                      
人間関系                          
環境関係                         
本人関係                         
お金関係                         

共感のためのワークシート

周囲が言っていること・報道で言っていること        
考えていること・感じていること・本当の思い        
実際の発言、行動・振る舞い                
障害となっていること、リスク、ストレス、恐れ       
望むもの・欲求・ニーズ・成功の基準            

▲上記の項目を基準にヒアリングをするとよい。後日、アンケート収集については、紹介のコーナーを設けます。


3.販促戦略を立てよう。

 ここまで、「業界」「市場」などのマクロ視点から、ミクロの「商品」「ターゲット・インサイト」まで把握できたと思います。
 それから、効果的販促戦略策定がポイントです。上記2−2でとれたUser Insightをもとに、ペルソナ(商品購入者の想定)を明文化し、そのペルソナの行動分析、商品との接点づくり策定のために、カスタマジャーニーを作成します。

3-1 ペルソナ 

 本来ペルソナ(Persona)とは心理学の用語で、スイスの心理学者カール・グスタフ・ユングが提唱した概念ですが、マーケティングの世界では、この「仮面の自分」という考え方を発展させて「架空のユーザー像・人物モデル」という意味で使われています。
 商品販売の際には、様々な方が関わることになりますが、その際に、これを定めておくことで、チームメンバー同士で、ブレなく、同じユーザーを想定しながら、販売戦略を立てていくことができます。

画像の説明
▲年齢・性別・住んでいるところ・職業・収入・ライフスタイル・性格・趣味・インターネット利用状況・所持するデバイスの種類なとの基本項目を押さえる。ペルソナは仮想の人物であるため、理想とする人物を描くことがポイントです。

3-2 カスタマージャーニー

 カスタマージャーニーとは「顧客が商品を購入し、利用するまで(場合によっては最終的に廃棄するまで)の道のり」のことです。マップ化することで顧客とのタッチポイントを最適化するマーケティング施策が打て、さらに成果を伸ばすことができるので、とても有効なツールです(販促物を特定することができます)。
 やり方は目的によって様々ですので、あくまでの販促物を特定するためのツールとして活かす方法をご紹介します。一般的な方法は、別の記事で発信することとします。

画像の説明
 ▲カスタマージャーニーの作成のコツとしては、ペルソナの人物の一日を描き、その中で持ちやすい接点を特定し、それに最も有効な販促ツールを考えるという流れです。


4.効果的な販促物の制作、効果測定を通し、見込み客を醸成しよう。

 上記のカスタマージャーニーから「効果的な販促物」が特定されます。ここまでできたら、デザイナーへの制作依頼準備が整ってきました。ここで考えないといけないことは、効果測定のためのKPI(Key Performance Indicators:重要業績評価指標)です。
 費用対効果の高い販促施策にしていくためには、必須ステップだと考えています。従来のデザイン業界では、デザイナーのセンス任せになってしまい効果分析に対しては、定性的にしか行うことができませんでした。
 反面、今やAI、ビックデータなどの技術により、販売する前、後のユーザーとのコミュニケーション、分析が容易となっています。それを十分に活かしていくために、効果測定の基準となるKPIを特定し、トライアンドエラーを繰り返しながら、ユーザーの目に届く商品開発・販売を行うことが重要な時代です。
 筆者のおすすめとしては、制作物の依頼の際に、デザイナーと効果測定の基準も合わせて相談しながら進めていくことです。そうすることで、お互いに意識することができ、成果にコミットした販促物制作につながると考えます。

画像の説明

4-1 効果的な販促物の制作について

 制作の際には、3つのステップを念頭におくとよいでしょう。
 [Step1] ペルソナごとに、重点施策を設定する。
 基本的にペルソナは1つが望ましいですが、商品によっては、2つ以上になる場合もあります。その際には、それぞれの特性に合わせ、重点を置く施策(販促物)を想定してみるとよいでしょう。それによって、優先順位の設定なども容易となります。
     画像の説明
 [Step2] 設定したKPIとROIで効果を測定する。
 販促物ごとに考えられるKPIを特定すること。効果、効率を図る指標として、ROIもあります。いずれも、初年度は比較するデータがないため、大体の基準となるものを設定し、2年目から効果測定をしていくことが望ましいですが、初年度の基準としては、競争商品や相場を調べ、比較分析するのもよいと思います。

KPIEx.Web販促物(コンバージョン率、SNSフォロワー等)※紙媒体からWebへの流入数でも良い
ROIEx. 利益÷投資額×100 ※紙媒体の場合、定量的な効果測定が難しく、この指標が考えやすい

     画像の説明
 [Step3]PDCAを徹底する。
 継続的に効果測定、見直しを繰り返すことが重要です。一度、決めたターゲットでも、売上、実際の購入者などとの分析を通し、見直しが必要な場合や、そもそもの商品力アップが課題の場合もありますので、その課題発見・ソリューションの徹底化は継続的な販促において、最も重要だと言えます。

4-2 3ヶ月ごと4P分析から商品力アップ

 これはPDCAの一つの例ですが、4Pというマーケティングのフレームワークを通し、商品自体の見直しを定期的に行うことをおすすめします。それにより、常に顧客ニーズに敏感になり、効果的な販促戦略をとりやすくなります。

Price                           
Product                         
Place                          
Promotion                        


5.まとめ

 ここまで、「1.まずは商品を取り巻く環境(業界)を知ろう。」「2.Product Market Fitを考えよう。」「3.販促戦略を立てよう。」「4.効果的な販促物の制作、効果測定を通し、見込み客を醸成しよう。」を学んでみました。

 一番重要なポイントは、買っていくれる人を想定し、インサイトを深め、その人物に一番届く販促物(施策)を継続的に打ち続けていくことが、「売れる商品を生み出す」極意です。
 これをいかにやり続けていくか、仕組み化していくことがとても重要です。
 意外と継続って難しいですよね? 常に適切な刺激や潤滑油となる仕組みが求められると思います。
 
 そこで、弊社では、外部パートナーとして、「デザイン経営コンサル」のサブスクサービスをご用意しております。
 マーケティングや経営の視点から、デザインサービスを行っています。ベーシック9,700円/月からプランがありますので、まずは、お気軽にご相談ください。
  

今なら、創業7周年記念キャンペーンとして、

1回無料「デザイン経営コンサル券」を差し上げますので、

下記のフォームにてご登録ください。

 デザイン経営コンサル無料券GET
 ▲新商品開発やすでにある商品のブラッシュアップ、事業変革、効果的販促物制作に悩まれる方々におすすめです。


42678857_1978285948860244_4612756856853495808_n.jpg

筆者 一円 李員交
Marketer・Designer/MBA(経営学修士)

・地方自治体の直営施設で500回以上のイベントを手がけ、120万の来場者達成!顧客マーケティング、集客イベント企画・運営・ポスター&チラシデザインまで、5年間携わる。
・5年連続売上No.1達成の「アクアワールド・大洗」のオリジナルお土産「どらマンボウ」のパッケージデザインを始め、多数の食品関連ブランディングに係る。
・韓国生まれ韓国育ち。2009年単身で来日。筑波大学大学院に入学し、2012年人間総合科学研究科芸術専攻情報デザイン領域を修了。
・在学中に経験した東日本大震災から、人と人をつなぎ、未来を育む仕事をしたいという想いを持つ。
・2017年日本デザイン学会にて、シビックプライド関連論文発表。
・2021年グロービズMBA経営大学院修了。



#マーケティング #デザイン経営 #デザイン #販促物 #茨城県 #つくば市 #ブランディング #商品開発 #新規商品 #KPI #誘客 #チラシ #ECサイト #Web広告 #Web #プロモーション #食品 #地産地消 #地域創生 #経営